Weitere ähnliche Inhalte Mehr von Tomohiko (TOMO) Hayashi (20) 21世紀の出版をつくる会資料15. 今日、お話ししないこと
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端 末 、 コ ン テ
ン ツ 、 サ ー ビ
スの紹介
「紙の本は素
晴らしい」
「 ◯ ◯ を 守
れ」
「 ◯ ◯ す べ き 」
「 未 来 は こ う な
る」。借り物の抽
象論とバズワード、
無責任な予言
24. デジタル・ディスラプション
Digital Disruption ≠「デジタル破壊」
Disruption: 混乱、中断、遮断、分裂
Digital disruption is the change that occurs
when new digital technologies and business
models affect the value proposition of
existing goods and services. (Tech Target)
「新しいデジタルテクノロジーやビジネス
モデルが既存の財やサービスの価値命題
(提案)を変化させること」
価値命題(VP):顧客から見た商品やサー
ビスの価値
24
67. 自己出版の拡大
67
53,177&
66,459& 75,800&
94,826&
111,551&
148,424&
7,758&
7,941&
7,951&
14,193&
38,043&
87,201&
0&
50,000&
100,000&
150,000&
200,000&
250,000&
2006& 2007& 2008& 2009& 2010& 2011&
ISBN
86. 山田順氏
一冊で90カ所以上の誤り。出版してよい
レベルではない
86
番号 ページ 概要 分類 指摘 深刻度
1 18
これまで日本では、電子書籍専用端末が売れたためしがない〜2010年5月、アップルが
「iPad」(アイパッド)を日本で発売したときは〜、結局、これもたいして売れなかった。
文章 iPadは汎用端末であり、専用端末ではない。 A
12 23 紙の書籍は再販売価格維持制度(再販制度)によって義務付けられた定価販売価格商品だが 事実
再販制度とは再販売価格を決めた契約を出版社と取次、取次と出版
社が結ぶことが出来、これを独禁法違反としない制度のこと。義務
ではない。その証拠に「自由価格本」「B本」というビジネスが合
法的に成立している。
A
14 24
アメリカでは、2012年4月に司法省がアップルと出版大手5社を、電子書籍の価格カルテルを
結んだと提訴している。
事実
この提訴はシャーマン反トラスト法の「共謀」に対するもので、電
子書籍の価格決定のあり方についてのものではない。委託販売が合
法であることは司法省も認めている。
A
17 29
日本の音楽産業は、ネット配信が普及したことでCDショップが減り、結果的に市場規模が縮小し
た。
事実
よくある間違い。ネット配信(パソコン・スマホ)が中折れ、レン
タルCDが堅調なことから、この認識は誤り。またCDセールスも、
先進国の中では健闘している。
A
20 34
「著作権のフェアユース」を前提にしているWikipediaの「クリエイティブ・コモンズ・ライセン
ス」(CC BY-SA)。
事実
クリエィティブ・コモンズ・ライセンスは、「様々な作品の作者が
自ら「この条件を守れば私の作品を自由に使って良いですよ」とい
う意思表示をするためのツール」(公式サイトより)であり、フェ
アユースは、[版権物の公正使用(範囲) 《書評や批判など限られた
目的のもとで, 版権所有者の同意した版権物を利用できること[範
囲]」(リーダーズ+プラス英和辞典)のこと。方向も意図も正反
対である。フェアユースはCCであろうとCだろうと著作物を利用で
きる法理のことだからである。
A
21 36
ところが、「Kindle」はWi-Fi(ワイファイ)に対応していて、端末さえあればいつでもどこでも
電子書籍を買えた。しかも、その通信料はアマゾンが負担したのである。
事実
Kindleが無線LANに対応したのは第三世代以降だが、ここでは
Sony Reader初代と比べているので、初代Kindleについて記述し
ているものと思われ、事実に相違している。また無線LANの使用料
を徴収する端末など聞いたことがない。無線LANと3G通信などの
区別がついてないものと思われる。
A
22 37 ソニーは現在も〜電子書店「ブックリスタ」も運営している。 事実
間違い。ソニー本体は書店を運営していない。書店とプラット
フォームないし取次の区別がついていないのではないか?
A
23 37
日本で売られている「Kobo Touch」は北米市場で売られている「Kobo Touch」とは違うもの
だったからだ。電子書籍のストアの中身が違うのだ。「コボタッチ」では、日本で発行されたクレ
ジットカードと日本からアクセスしているというIPアドレスがなければ、電子書籍は買えない。
「Koboイーブックストア」のタイトルやサービスは、海外とまったくの別ものなのだ。
事実
「端末」「プラットフォーム」「ストア」「アカウント」の概念の
混乱があり、よく意味がわからない。ちなみに筆者所有のカナダ版
Kobo Touchは日本語書籍が買える。つまり端末は同じものである
ことは明らかである。アメリカ版Kindle Fireでは、日本のクレ
ジットカードの登録されたIDを使うと、書籍以外のすべてのコンテ
ンツの購入が不可能だ。またこうした国別コントロールは、パブ
リッシャーの要求によって設けられたものである。
A
25 44
日本では紙の時代がこの先の根強く続くのではないだろうか。その理由は、「Kobo」や
「Kindle」がどんなにいいサービスを確立しても、それを買う購買力がいまの若いユーザーにはな
いと思えるからだ〜スマホでも電子書籍は購入できるし、テレビも見られるし、映画も見られる。
若いユーザーにとっては、スマホ1台あれば、ほかのデジタル端末は必要ないのだ。
認識
端末の話をしているのか、電子書籍サービスの話をしているのか不
明。端末に関していえば、少なくともアメリカでは、電子書籍サー
ビスは年長者、高額所得者のユーザーが多いわけだが、なぜ若い
ユーザーが鍵になると考えるのか? 電子書籍サービスの発展に
とっては、利用者がスマホを使おうと何を使おうと、コンテンツを
買ってくれればまったく問題ないが、なぜスマホの普及が電子書籍
発展の障害になるのか? むしろ後押し要因ではないか。論理的に
意味不明。
A
87. 山田順氏
87
29 50
電子書籍には、いくつかのフォーマットがある。ドットブック、バイナリ、XMDFな
ど日本独特のフォーマットから〜
事実 「バイナリ」は「実行プログラム」という意味で、フォーマットではない。 A
30 51
こうしたフォーマットの制作は、HTMLとCSSによって行われる。HTMLとは、
ウェブを作成するための言語で、タグというマーク(命令)を使って、文書の構造(見
出しの位置や段落など)を指定したり、文字の大きさや色を変えたりする〜現在、ウェ
ブページのほとんどは、HTML5+CSS3で作成されていて、電子書籍も同じであ
る。
事実
タグは「マーク」ではないし、「マーク」は「命令」という意味でもない。文書の構造
とは見出しの位置を指定することではない。文字の大きさや色を変えるのはCSSである。
現在、HTML5+CSS3を実装したサイトは少ない。電子書籍でHTML5+CSS3を使うのはこ
こで紹介されている中ではEPUBだけである。つまりこの段落のほとんどすべてが間違い。
A
36 72
従来の紙の出版では、文芸書の契約は初めから単行本と文庫版を別の出版社で刷ること
を念頭に置いていて、「独占」という概念がなかった。しかし、これを解消しないと電
子化は進まないので、著作隣接権の出版社への付与を働きかけたのである。
事実
売れる本については、単行本と文庫版両方を出したいのは出版社としては当然で、実際
に通常はそう申し出るはずである。「念頭に置いている」などということは一切ありえ
ない。「独占契約」と「著作隣接権」は無関係。
A
43 77 日本で独特のフォーマットが何種類も作られたのは 事実
電子書籍のフォーマットは、日本以外でも膨大な数が存在する。Wikipediaには27種類挙
げられている。 A
45 78 ボイジャージャパンの 事実 ボイジャー。社名くらいちゃんと書きましょう。 A
48 80
電子書籍専用端末ごとにフォーマットも違うしDRMもかかっているで(ママ)、購入し
た端末でしか読めない。
事実 そんなものは見たことがない。 A
49 79
仮にあなたが『ハリー・ポッター』の作者のような大ベストセラー作者だとしよう。次
回作は、全世界が期待している。この次回作をDRMなしの電子書籍で売りだしたらどう
なるだろうか。たちまちのうちに世界中でコピーされ、あてにしていた売上印税の収入
は得られず、作家生活ができなくなってしまうかもしれない。
認識
「ハリー・ポッター」をこの例に持ち出すのは不適当であろう。7月、DRMフリーで電子
書籍を売りだしたからである。何も知らない読者にとっては極めてミスリーディングな
例である。
A
50 80 すでに欧米では、ランダムハウスがDRMを外すことを宣言し、 事実
これはオーディオブックのことではないか。それ以外の報道を見つけることができな
かった。 A
51 81 日本のネット空間は、消費税が徴収できない無法地帯になっていて 事実
意味がわからないが、ほとんどは徴収されているであろう。もちろん朝日新聞社のデジ
タルコンテンツも税込で販売している。 A
52 81 日本以外の先進国ではすでに取り組みが終わっている。 事実
正反対であることはOECDのレポートにも出ている。アメリカの場合、州を超えたECの
課税については未だに議論が続いている。 A
55 90
ボーダーズ破綻の原因は、電子化にそっぽを向いて、ひたすら大型化してチェーンを拡
大していったことにあるとされる。たしかに、ボーダーズは、ネット通販にも、電子化
にも興味を示さず
事実
2009年、ボーダーズはKoboに投資し、経営破綻するまで11%の第二位株主だった。これ
を「そっぽを向いていた」というのは? 店頭でKoboを売り、Borders ebookstoreも運営
していた。
A
61 156
たとえば『ワシントン・ポスト』の一面にもフリーランスの大物が書いた記事が載る。
しかし、朝日新聞や読売新聞にそんな記事が載ったことはない。
事実
そんなことはない。2012年9月、朝日新聞が1面で掲載した村上春樹氏の寄稿は多くの反
響を呼んだ。 A
62 156 (朝日新聞、読売新聞は)また、記事の署名入りの記事も圧倒的に少ない。 事実 朝日新聞の場合、2005年1月1日以降の記事は基本、署名原稿である。 A
63 182
レポートを発表したのは、コミュニケーション研究で有名な南カリフォルニア大学(U
SC)のアネンバーグ・スクールセンター
事実
「アネンバーグ・スクールセンター」という表現がおかしいことは、ジャーナリズムに
詳しい者でなくとも、英語がわかればすぐわかる。実際、各種記事で確かめると、USC
Annenberg School for Communication & Journalismである。また、この記述の元となった記
事は読売のサイト上に容易に見つかる
(http://adv.yomiuri.co.jp/ojo/overseas/america/201202ame.html)。この部分は元記事の真
偽を確かめないままコピペしたようで、元記事も「アネンバーグ・スクールセンター」
と書いている。元記事のさらに元記事(News Paper Death Watch)はこちら。
http://newspaperdeathwatch.com/can-1400-dailies-die-in-5-years-yes/ 当然だが、News
Paper Death Watchの記事は正確な組織名を使っている。
A
65 248
2005年、スタンフォード大学のコマースメント(卒業式)で、故スティーブ・ジョブズ
氏が行ったスピーチは、彼の死後、ふたたび蘇った。
事実 コマースメントなどという英語はない。commencement(卒業式)のことか。 A
66 251
いま私が危惧しているのは、そのようなプロセスのなかで、既存の紙メディア産業が経
営難に陥り、その結果、ジャーナリズムやコンテンツの質が落ちてしまうということだ。
認識 これまで指摘したとおり、この本自体がその証左であろう。 A
多すぎて書ききれません。詳細は下記にあります。
https://github.com/tomochan001/JEPA_seminar_20140627
94. 佐々木俊尚氏の主張に対する疑問
本と音楽は違う。一章一章をバラバラにしたものに価値があるの
か?
佐々木氏の書籍自体がアンビエント化していない
佐々木氏の議論には「コスト」の概念がない
スモールビジネス化、アンバンドル化した編集ビジネスはスケー
ルメリットがでないのでコストが高くなる
マーケティングはネット上で行えばよい、とあるが、ネットマー
ケティングは単体製品を売るには非常にコストがかかり、効率が
悪い。
自身の本が電子化されていないことが多いのはどうしたわけか?
「7割印税で中抜き」という主張に反している
書籍の委託販売は日本だけ、というのは明らかに間違い
新しい本の売り方として紹介したbk1、松丸本舗はどちらもクロー
ズ
ソーシャルリーディングは結局、大きなムーブメントにならな
かった。
総じて「いつかはそういう流れがくるかも」と思わせるが、今の
ビジネスには役立たない
121. 公取レポート「オンラインとオフラインのサービス需要
の代替性」(2016/1)の結論
書籍市場全体,単行本コミックと雑誌コミック市場,タイトル
別単行本コミックに関して,時系列分析で電子書籍の登場が
紙媒体の販売に影響を与えているのかを検証した結果,全て
のケースで有意な負の影響は確認されなかった。むしろ,コ
ミックの単行本と雑誌で 消費者は紙媒体と電子書籍を使い
分けている可能性,電子書籍の配信開始が紙媒体の提供を消
費者に知らせる効果がある可能性がうかがえた。今回は単
行本コミックのタイトル数が3タイ トルに限定され,電子書
籍の影響をより受けるだろうコミック雑誌については,デー
タが入手 できなかったため,定量的な分析は実施できなかっ
た。
これらの結果から, 書籍販売部数の減少には,電子書籍の登場
以外の要因 を考える必要がありそうである。
12
1
123. レベニュー・マネジメント
What is Yield/Revenue Management?Yield/Revenue
managementはアメリカンエアラインやユナイテッド
エアラインなどの航空会社により収益を最大化(最適
化)するために初めて導入されたビジネス戦略である。
その後、ホテル、レンタカー、そしてレストランでも
導入された。広義にはイールドマネジメントは正しい
在庫を正しいお客さまに正しい時に正しい料金で販売
することと定義されている。よってホテルにとっては
正しい客室を正しいお客もしくは正しい滞在期間で、
正しい料金で販売する能力のことである。
サービスを販売するサービス業においてイールドマネ
ジメントの考えは最も頻繁に適用される。
12
3
137. 紙と電子、何が違うか
紙 電子
最小ロット あり なし
重版コスト あり なし
固定費 高い 低い(※)
返品、断裁、在庫コスト 高い なし
別バージョン 作りにくい 作りやすい(分冊、合本、短縮
版、異本、特典付き、イラスト
付きなど)
課金 ほぼ一冊単位(都度課金) 自由(期限付き無料、期限付き
割引、ポイント制度、フラッ
シュマーケティング、サブスク
リプション、バンドル、アイテ
ム課金、PAYWなど)
メニューコスト(価格変更コス
ト)
高い 低い
一物一価である必要 あり(流通が困難) なし(ダイナミックプライシン
グが可能)
ネットでの認知のされやすさ 低い 高い
13
7
141. 著者 編集 制作 流通 販売 読者
P+E出版は実は「中抜き」ではなく「中あり」
ハイブ
リッ
ド・
オー
サー
ハイブ
リッ
ド・
リー
ダー
「電子書籍では不要」と言われてきた
が、
P+Eではプロセスは複雑化するため、
むしろ仕事は増える 読者
の増
加
著者
の増
加
この両者をサポートす
る仕事が必要
14
6
142. 著者 出版社 印刷・製本 流通 書店 読者
紙本の
エコシ
ステム
P+E出
版のエ
コシス
テム
著者 出版社
制作
会社
電子
取次
書店 読者
電子本
のエコ
システ
ム
出版サプライチェーンの変化(紙→P+E)
著者 編集 制作 流通 販売 読者
「中抜き」が強調されていた→×
チェーンの「環」が自ら変わることで次のモデルを
作る→「読書」が拡大すれば、どの「輪」も成長の
可能性
「紙本の死」が強調されていた→×
E-book 0.5
E-book 1.0
14
7
144. 著者 編集 制作 流通 販売 読者
P+E出版における「読者」
「ハイブリッド・リーダー」論
紙と電子書籍を、スマートに使い分ける
フィクション、コミックスは電子で、ノンフィクション、
専門書は紙で、など
新刊情報通知サービスに登録して、新刊情報をゲットする
ネットやリアルを通じて、著者とダイレクトにつながる
障害者、高齢者もアクセシビリティにより、アクティブな
読者になる
ニーズの多様化、高度化
14
9
145. 著者 編集 制作 流通 販売 読者
P+E出版における「流通・販売」
「ハイブリッド・リーダー」に向けた支援
P+Eの流通、ディスカバリー、パスファイン
ダー(紙も電子も分け隔てなく案内)
O2O(ネットからリアルへ)
ネットでは体験できないことの価値(イベント、
コミュニティ、ブッククラブ)
ニッチカテゴリーに特化→アマゾンの「総合
性」「システム」に「特殊性」「体験」で対抗
15
0
146. P+E出版のサプライチェーン
著者 編集 制作 流通 販売 読者
「ハイブリッド・オーサー」に向けた支
援(ランディングページ立ち上げ、運営、
ソーシャルマーケティング)
著者向け、編集者向けCMSによる一気
通貫モデル
編集・制作フローのP+Eへの最適化(電
子書籍はコストゼロへ)
15
1