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KiCadで雑に基板を作る チュートリアル
- 2. 2
本チュートリアルの対象・目的
●
対象
– KiCad の使い方を把握したい人
– FusionPCB/SwitchScience/Elecrow などの
個人向けプリント基板製造サービスを利用したい人
●
目的( 基礎編)
– KiCad の最低限必要な機能の使い方を理解する
– KiCad で基板を作って製造サービスに発注する作業の流れを理解する
●
目的( 応用編)
– 電子工作レベル( 両面基板、表面実装なし程度 ) の
基板作成に必要な KiCad の機能を理解する
●
本チュートリアルで扱わない事項
– 回路設計については本チュートリアルでは扱わない
- 3. 3
書いた人
●
某イベント Unix 島で技術ネタサークルやってます
– Twitter https://twitter.com/crs
– GitHub https://github.com/soburi
●
Recent works
– TWE-Lite を ArduinoIDE で使う
http://qiita.com/soburi/items/0b0aa3d0c4332a5e7a4c
- 4. 4
目次
1. KiCad とは
2. KiCad を起動する
3. EEschema で回路図を作る
4. 回路図データと基板エディタの連携
5. Pcbnew で基板レイアウトを作る
6. 発注用データの出力
7. 発注する
8. KiCad のワークフロー
9. コンポーネント・ライブラリ
10. フットプリント・ライブラリ
11. 複雑な回路図を管理する
12. 配置・配線の効率化
13. 面付け
14. まとめ
基礎編 実践編
- 8. 8
KiCad を起動する
●
最新 4.0.0 出ました !( まだ RC 版 )
●
http://downloads.kicad-
pcb.org/windows/stable/kicad-product-
4.0.0_rc1-x86_64.exe
●
特に考えずにインストール
●
KiCad のアイコンを起動する
- 9. 9
新規プロジェクト
●
[ 新規プロジェクト ]→[ 新規プロジェクト ] を選択
●
プロジェクトには複数のファイルが含まれるが、
自動でディレクトリを作られない。
●
プロジェクト名と同じ名前のディレクトリを作って、そこに
プロジェクトファイル (*.pro) を作る
- 13. 13
部品の配置
●
[ コンポーネント ] を選択し、回路図シートをクリックすると、
[ コンポーネントの選択 ] ダイアログが表示される
●
ダイアログから使いたい部品 (LED と電池 ) を選択して、
回路図シート上に配置する
●
部品を右クリックすると、部品の移動、回転ができる。
配線しやすいよう、理解しやすいように配置する
- 15. 15
配線する
●
[ 配線 ] を選択して、回路図シート上で配線を行う
●
部品の足と足とを線でつなぐ
●
配線が交差しているところはつながっていない
[ ジャンクション ] で接続する
●
T 字状に配線する場合、自動的にジャンクションで
接続される
つながって
いない
つながって
いる
- 23. 23
部品とフットプリントの関連付け
●
KiCad では、部品 ( コンポーネント ) は、回路図での電気的な
特性と、基板上での物理的な構造を分離して扱っている
●
そのため、回路図上の部品に、実体物の形状 ( フットプリント )
を関連付ける作業が必要になる。
●
この作業を行うのが CvPcb
●
別の見方をすると、足の数だけ合っていれば別の形状を割り当
てることもできる。
●
困ったらピンヘッダを割り当てておくと何とかなる。
- 25. 25
作例 #3
●
標準的な 5mm の LED を指定
●
電源は外部からリード線で接続するため、
2pin のピンヘッダを指定
( ピンヘッダを実装せずに配線用の穴として使う )
- 34. 34
GND ベタ #2
●
[B.Cu] と [F.Cu] の2面に対して実行する (2 回やる )
●
ゾーンの枠線を右クリックして [ 全てのゾーンを塗りつぶ
す ] を実行
●
配線変えたら両面とも、
塗りつぶしの削除→塗りつぶし
を再実行すること。
- 37. 37
デザインルールの設定 #1 許容最小値
●
ドリル穴や配線の製造可能な最小値を設定する
●
メニューの [ デザインルール ]→[ デザインルール ] を選択
●
ダイアログの [ グローバル デザインルール ] タブにある
[ 許容最小値 ] を設定する。
●
マイクロビアは使わないので設定不要
●
FusionPCB/SwitchSciencePCB/Elecrow 向け
– 最小配線幅 0.2mm [0.1524mm(6mil) 以上 ]
– 最小ビア径 0.8mm [ ビアドリル径 + annular ring x 2=0.7mm]
– 最小ビアドリル径 0.4mm [0.3mm]
多少余裕を持たせた値にする。
- 38. 38
デザインルールの設定 #2 default 値
●
実際の配線に使う値を [ ネットクラス エディタ ] タブの
[default] に設定する。
●
クリアランスは最低 0.1524mm が 3 社のスペック。
●
FusionPCB の Eagle 用推奨設定ファイルが、
基板端から 0.254mm(10mil) としている。
●
これはかなりマージン持たせた値
●
表面実装 IC を使うと 0.18mm ぐらいを使う
- 42. 42
●
[ ファイル ]→[ プロット ] でダイアログを開く
●
[ 出力ディレクトリ ] を適当に指定する
●
レイヤは [F.Cu],[B,Cu],[F.SilkS],
[B.SilkS],[F.Mask],[B.Mask],
[Edge.Cuts] の 7 つを選択
●
[Protel の拡張子を使用する ] をチェック
●
設定終わったら [ 製造ファイル出力 ] でフ
ァイルを生成する
●
ドリルは別に作る必要があるので、 [ ドリ
ルファイルの生成 ] を実行
Gerber ファイルの出力
- 45. 45
Gerber ファイルを確認する
●
KiCad の GerbView よりも gerbv
[ http://gerbv.geda-project.org/ ] がおすすめ
– 色がデフォルトで中間色なので見やすい
– レイヤを重ねて印刷できる
– レイヤごとに透明度が設定できる
- 51. 51
発注する
●
FusionPCB も SwitchScience も Elecrow も
「 Gerber ファイルとドリルファイルを
ZIP で固めて Web フォームから送るだけ」
で、発注処理が完了する
●
発注した直後に不具合が見つかる(経験則 )
●
直後ならまだ修正が可能 ( な場合がある )
●
諦めたらそこで試合終了
●
落ち着いて対処する
- 55. 55
LED 明滅回路
●
キャンドル IC CDT-3460-20 で LED が明滅する回路
http://akizukidenshi.com/catalog/g/gI-08752/
●
電源はボタン電池を使用し、
電子ホルダー CH26-2032LF を基板に実装する
http://akizukidenshi.com/catalog/g/gP-08963/
●
作例ではデータシートの例で
簡単な駆動回路を作る
●
この作例を通じて、実際の基板作成で
使う KiCad の機能を見ていく
こんな基板を作る
- 65. 65
フットプリント ライブラリを作る #2
●
端子となる [ パッド ] を配置する
●
普通のスルーホールを置くのであれば、
デフォルト設定で OK.
●
データシートなどで寸法を確認して配置する
●
インチ / メートルの違いに注意する
●
1番ピンを明示するような場合には
角型のパッドに設定する
- 67. 67
フットプリント ライブラリを作る #4
●
出来上がったら
[ ファイル ]→[ フットプリントを新規ライブラリへ保存 ]
する
●
コンポーネント ライブラリ エディタと違って、ツールバーには
ないのでメニューから実行する
●
フットプリント ライブラリは [ ライブラリ名 ].pretty という
ディレクトリで保存される
- 68. 68
作例 #7
●
CR2032 電池ホルダー CH26-2032LF のフットプリント
– プラスとマイナスの2つのスルーホールを作成
– 電池のコンポーネントに合わせて 1 がプラス ,2 がマイナス
– マイナス (GND) を角型のランドにした
– シルク印刷で部品の形状を
原寸通り表示している
- 71. 71
単純なラベル
●
[ ラベル ] は切れて描かれている線が
つながっている先を示す
●
ラベルの接続先は複数あってもよい
( 三つ又の配線 )
●
切れている線の端を右クリックすると
[ ラベルの追加 ] があるので、
ラベル名を入力する
同じ
同じ
- 73. 73
階層化シートの作成
●
[ 階層シート ] を選択し、回路図シート上に
階層シートを表す枠線を引く
●
枠線を右クリックすると [ シートに入る ]
項目が現れるので、選択すると
サブの階層シートに切り替わる
●
サブの階層シートで右クリックして、
[ シートから抜ける ] 項目を
選択すると元のシートに戻る
●
ファイル名は適当に採番されるので
[ シートの編集 ] でわかりやすい名前にリネームする
Advanced topic
- 74. 74
階層ラベル
●
階層シートから、上位の階層シートに見せる端子が [ 階層ラベル ]
●
ラベルというよりはインターフェースとして捉えた方がよい
●
サブの階層で [ 階層ラベル ] を配置する
●
上位の階層シートで階層シートの枠を右クリックして
[ シートピンのインポート ] を行うとサブの階層で
定義したラベルが枠線内に現れる
●
このラベルを介してサブの
階層シートと接続する
Advanced topic
- 76. 76
作例 #8
●
電源回路部と LED 点灯部を分けた
●
LED 点灯部は調整用の
抵抗を入れてある。
(0Ω 可 = 省略可 )
●
もっと明るくしたい場合に
並列で LED を配置
( 省略可 , 抵抗は並列でないので
行儀はよくない設計 )
●
On/Off できるようにスイッチをつけた
- 79. 79
押しのけ配線機能
●
KiCad の最も Cooooool!!!!! な機能の一つ
●
配線を引くときに、既に引いてある線が避けてくれる
●
[ 表示 ]→[ 描画キャンバスを OpenGL(3D) へ切り替え ] を選択
●
[ 配線とビアの追加 ] を選択した状態で、
右クリックして [ 配線オプション… ] を選択
ダイアログのモードから [ 押しのけ ] を
選択する
●
OpenGL を使用していると、メニューから使える機能の
動作が異なる。必要に応じて描画キャンバスを切り替える
- 81. 81
FreeRouting で自動配線する #1
●
配布元からバイナリをダウンロードする
– https://github.com/freerouting/freerouting/blob/master/binaries/FreeRouting.exe
●
KiCad とはエクスポートファイルの作成と、
出力のインポートで連携する
●
配線と塗りつぶしをすべて削除する
– 既に配線されているところは保持される
●
[FreeRoute] のダイアログを立ち上げ、
[ 現在のボードを” Specctra DSN” ファイルへエクスポート ] する
Advanced topic
- 82. 82
FreeRouting で自動配線する #2
●
FreeRouting を起動して、エクスポートした DSN ファイルを開く
●
メニューから AutoRoute を実行する
●
配線が出来上がったら、
[Export Specctra Session File]
を実行して、出力をエクスポートする
( 同一ディレクトリに .ses ファイルが出来る )
●
KiCad に戻って、 [ スぺクトラ・セッション ファイル (.ses) のバックインポート ] で、
FreeRouting の自動配線データを取り込む
●
[ 結線情報データを再構築しますか? ] は OK を選択
Advanced topic
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面付けした基板レイアウトの作成
●
スタートメニューから Pcbnew を直接立ち上げる
●
[ ファイル ]→[ ボードの追加 ] で、
作成したボードのデータ (~.kicad_pcb) を読み込む
●
面付けする枚数分読み込みを繰り返して、
配置する
●
外形レイヤの線を削除してボードの形状を作り直す
●
V カットの線を外形レイヤに引く
●
Gerber ファイルの出力は通常の基板と同様に行う
●
回路図データとは関連づかない基板になるので、
別のディレクトリに置いた方が管理しやすいかもしれない
- 88. 88
おさらい #1
●
EEschema の基本的な使い方
– コンポーネントの配置・配線
– ERC のエラーチェック
– フットプリントの関連付け、ネットリストの生成
●
Pcbnew の基本的な使い方
– ネットリストの読み込み
– 配線
– DRC のエラーチェック
– 製造ファイルの出力
●
製造業者への発注
– ちゃんと確認したか?