1. IAB NATIVE ADVERTISING PLAYBOOK
概要
デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム株式会社
広告技術研究室
(c)1996-2014 D.A.Consortium inc. All Rights Reserved.
この資料は、ネイティブアドに関する⽇本の特有の事情等はさておき、
IABが発表した「NATIVE ADVERTISING PLAYBOOK」について
正しく理解するための資料です。
NATIVE ADVERTISING PLAYBOOKに関して、
⽇本訳版および原⽂については、以下からご覧頂くことが可能です。
http://www.dac.co.jp/press/2014/iab-1.html
2. 背景
D.A.Consortium inc. All Rights Reserved. 1
業界内の関係者や企業、ジャーナリストなどによって無数の定義が提案されてきたが、
普遍的に合意された定義は未だ存在していない。
位置づけや広告主の戦略、メディアの⽬的など、⾒る者の視点によって「ネイティブ」の意
味が変わってくるところが⼤きいため。
普遍的な定義がなされていないことが、業界の混乱を起こしている。
業界では、ネイティブアドの効果や広告の明⽰性の原則といった具体的な議論に焦点を
当てるのではなく、その広告が「ネイティブアドかどうか」という議論に多くの時間と労⼒が割
かれている。
3. 概要
D.A.Consortium inc. All Rights Reserved. 2
2013年12⽉4⽇にIABが「THE NATIVE ADVERTISING PLAYBOOK」を発表。
ネイティブアドは、広告主の願望と媒体社の商品としての広告の両⽅を含む概念である。
広告主や媒体社は「ページの内容やデザイン、プラットフォームの動作と合致することで
ユーザーがサイトの⼀部として違和感がないと感じる広告」を届けることを望んでいる。
今⽇最も⼀般的に使⽤されているネイティブアドのタイプを、6つのカテゴリーに分類した。
広告の明⽰性に関しては、消費者が媒体社によるコンテンツとネイティブアドを⽂脈に関
わらず区別可能であるべき。
4. 概要
D.A.Consortium inc. All Rights Reserved. 3
このプレイブックは刻々と変化する市場の状況を反映するために必要に応じて更新され、
またネイティブアドに関する様々なトピックについて、より深い調査への⾜がかりとなることを
意図している。
このフレームワークが業界の「ネイティブかどうか」という議論を終わらせ、売り⼿と買い⼿を
売買取引に専念させると信じている。 業界全体が同意できるフレームワークにより、よう
やくネイティブアドエコシステムの継続的な成⻑の⽀援に注⼒できるだろう。
5. ネイティブアドの6分類
D.A.Consortium inc. All Rights Reserved. 4
現在、「ネイティブアド」として、最も⼀般的に利⽤されているタイプ
① インフィード型 (In-Feed)
② ペイドサーチ型 (Paid Search)
③ レコメンドウィジェット型(Recommendation Widgets)
④ プロモートリスティング型(Promoted Listings)
⑤ ネイティブ要素を持つインアド型(IABスタンダード)
(In-Ad (IAB Standard) with Native Element)
⑥ カスタム型(その他)(Custom /”Canʼt Be Contained”)
6. ①インフィード型 その1
D.A.Consortium inc. All Rights Reserved. 5
特徴
• 媒体社の通常のコンテンツの中にある
• コンテンツが書かれているストーリー形式と同じ形式で書かれている/または媒体社の編集チー
ムと協⼒して周囲のストーリーに合うように書かれている
• 通常のコンテンツのようにサイト内のページにリンクしている
• どんな記事が周囲にあるかをクライアントが正確に把握できる固定の広告枠で販売されている
• インタラクションやブランドリフトといったブランディング指標で計測される
GIZMODOBuzzFeed
・・・・ Gawker、Forbes BrandVoice、Mashable等 *⽇本の例については参考として
7. ①インフィード型 その2
D.A.Consortium inc. All Rights Reserved. 6
特徴
• 媒体社の通常のコンテンツの中にある
• プロモーション広告である
• サイト外のコンテンツ/編集記事/ブランドのランディングページへリンクしている
• 固定枠で販売されている
• CTRやコンバージョンによって計測される
GunosyTwitter
・・・・ YouTube, Yahoo, Sharethrough, LinkedIn等
Facebook
*⽇本の例については参考として
8. ①インフィード型 その3
D.A.Consortium inc. All Rights Reserved. 7
特徴
• 媒体社の通常のコンテンツの中にある
• 周囲のストーリーとマッチした形式で、かつ消費者が別のページに遷移することなく再⽣できたり、
読んだり、視聴できる
• 「スポーツ」といった広いセクション単位で販売されるが、「NFL特集ページ」のような固定のページ
/枠を指定することはできない
• インタラクションやブランドリフトといったブランディング指標で計測される
Facebook
・・・・ Facebook、YouTube、Instagram、Sharethrough等
Twitter
*⽇本の例については参考として
9. インフィード型 広告の明⽰⽅法
インフィード型でよく使⽤される広告の明⽰⽅法
• “Advertisement”, “AD“ (Google, YouTube),
• “Promoted”, “Promoted by [brand]” (Twitter, Sharethrough),
• “Sponsored”, “Sponsored by [brand]”, “Sponsored Content” (LinkedIn,
Yahoo),
• “Presented by [brand]” + “Featured Partner” tag (BuzzFeed,
Huffington Post)
• “Suggested Post” + “Sponsored”タグ (Facebook)
D.A.Consortium inc. All Rights Reserved. 8
10. ②ペイドサーチ型
D.A.Consortium inc. All Rights Reserved. 9
⾃然検索結果とほぼ同じフォーマットやレイアウトにて広告を表現されている広告
特徴
• ⾃然検索結果の上部に表⽰され、通常の検索結果と同様に⾒える(明⽰性を除く)
• ⾃然検索結果と同様に、あるページにリンクをする
• 固定の広告枠で販売されているため、どんな⽂脈に埋め込まれているかを代理店が正確に把
握できる
• 購⼊といったコンバージョン指標で効果計測がされる
GoogleYahoo!
*ペイドサーチ型における明⽰⽅法は、2002年よりFTC(アメリカ連邦取引委員会)のガイドラインで明確に規定
11. ③レコメンドウィジェット型
D.A.Consortium inc. All Rights Reserved. 10
広告あるいは有料コンテンツのリンクが「ウィジェット」を経由して
配信される形式のネイティブアド
特徴
• ページ内の通常コンテンツの表⽰領域に統合されている
• ただし、通常コンテンツのフィード形式とは異なる
• サイト外のページへリンクしている
• 固定枠では販売されていない
• インタラクションやブランドリフトといったブランディング指標で計測される
Response(by Outbrain)TIME(by Taboola)
*コンテンツが、ページオーナーである媒体社から提供されていないものを含んでいることを消費者に知らせるために、テクノロジープロバイダーが⾃社名またはロゴを含めることがある。
12. ④プロモートリスティング型
D.A.Consortium inc. All Rights Reserved.
特徴
• 従来の編集コンテンツを持っていないサイトで⾒られるが、ブラウザ体験にシームレスに合致する
ようにデザインされている
• サイト上で提供される商品あるいはサービスと同じ⾒た⽬で表⽰される
• ブランドや製品の特設ページへリンクしている
• 媒体社と直接、オークション形式で取引される
• より詳細なコンテキストターゲティングができる
• ダイレクトレスポンス指標で計測される
Amazon
Yelp
11
*Yelpでは「Yelp Ad」、Amazonでは「Sponsored Products」といった明⽰がされている ⽇本では⾷べログ、⽇経も?等
13. ⑤ネイティブ要素を持つインアド型(IABスタンダード)
D.A.Consortium inc. All Rights Reserved.
IABスタンダードバナー(レクタングル等)が広告として⽤いられる。
またデザインの親和性ではなく、コンテンツの内容との親和性が⾼い。
特徴
• 編集記事の中ではなく、コンテンツに関連性のある広告が枠内に表⽰される
• 外部ページへリンクする
• 固定の広告枠で販売されているため、どんな⽂脈に埋め込まれているかを代理店が正確に把
握できる
• インタラクションやブランドリフトといったブランディング指標で計測される
12
roomieAbove the Law
広告の明⽰⽅法
ネイティブアドの要素を持つインアド型は、すべ
てのIABスタンダードアドと同じように定められ
た広告の明⽰⽅法に従っている。広告コンテ
ンツを通常のウェブページのコンテンツとは明ら
かに違うものとして識別できなければならない
というルール。
14. ⑥カスタム型(その他)
D.A.Consortium inc. All Rights Reserved.
これまでの5つの分類に合致しないもの。
または特定のメディア(プラットフォーム)に依存し過ぎるため
ネイティブアドの1つのグループとは⾔いづらいもの。
例:Spotify カスタムプレイリスト、Pandora、Flipboard、Tumblr
13
Spotify カスタムプレイリスト
*⽇本においては、
LINEのスポンサードスタンプは
カスタム型のネイティブアドか
15. ネイティブアドの6分類 まとめ
D.A.Consortium inc. All Rights Reserved. 14
①インフィード型
通常のコンテンツ(フィード)の中に広告が表⽰。
リンク先はサイト/アプリ内部または外部、配信する広告枠は固定または
ネットワーク。
②ペイドサーチ型 ⾃然検索結果とほぼ同じフォーマットやレイアウトにて広告が表⽰。
③レコメンドウィジェット型
広告や有料コンテンツへのリンクがウィジェット経由で配信。
コンテンツ表⽰領域に設置されるが、通常のコンテンツフィードとは異なる
フィードを表⽰。海外ではブログネットワークを中⼼に導⼊。
④プロモートリスティング型
サイト上の商品やサービスの⼀覧と同じように表⽰されており、配信先サイ
トのコンテキスト(⽂脈)との⼀致を重視。
編集コンテンツを持っていないECサイト等で導⼊。
⑤ネイティブ要素を持つインアド型
編集記事の中ではなく、広告枠内にコンテンツと関連性のある広告が表
⽰。
⑥カスタム型(その他) 特定のメディア(プラットフォーム)に強く依存する固有のフォーマット
16. ネイティブアド評価フレームワーク
D.A.Consortium inc. All Rights Reserved. 15
広告主はブランドの⽬的と合致させるため、ネイティブアドを選択・評価す
るにあたり、以下の6つのポイントを検討する必要がある。
1. 形式(FORM)
2. 機能(FUNCTION)
3. 統合(INTEGRATION)
4. バイイングとターゲティング(BUYING & TARGETING)
5. 計測指標(MEASUREMENT)
6. 明⽰性(DISCROSURE)
*あくまでも広告主の⽬的に対して合致しているかどうかを評価するためのフレームワークであり、
ネイティブアドであるかないかを評価するためのフレームワークではないことに注意
17. ネイティブアド評価フレームワーク
D.A.Consortium inc. All Rights Reserved. 16
1. 形式(FORM)
どのようにページ全体のデザインに合っているか。
視聴⾏動における流れと合っているか。
→デザインとの親和性
2. 機能(FUNCTION)
設置されたページ上の他の要素と同様に機能しているのか。また同系
統のコンテンツ体験を提供しているかどうか。
例:動画サイトにあるビデオ広告や記事サイト上の記事広告
→コンテンツ(機能)との親和性
18. ネイティブアド評価フレームワーク
D.A.Consortium inc. All Rights Reserved. 17
3. 統合(INTEGRATION)
広告の挙動がどの程度周囲のコンテンツと合致しているのか。
例:同⼀サイト内のページにリンクするか、サイト外ヘリンクするか。
4. バイイングとターゲティング(BUYING & TARGETING)
広告の掲載⾯が、特定のページ、セクション、またはサイト上で保証さ
れているか、アドネットワークを介して配信されるか。ターゲティングのタ
イプなど。
19. ネイティブアド評価フレームワーク
D.A.Consortium inc. All Rights Reserved. 18
5. 計測指標(MEASUREMENT)
どのような計測指標が使⽤されているか。
例:上層ファネルにあるもの(views, likes, shares, time
spentなど)、下層ファネルにあるもの(sale, download, data
capture, registerなど)
6. 明⽰性(DISCROSURE)
消費者に対し広告の明⽰性が明確であるかどうか。
→広告であることを明⽰すべき
20. ネイティブアド評価フレームワーク 整理
D.A.Consortium inc. All Rights Reserved. 19
1.形式(FORM) デザインとの親和性の考慮
2.機能(FUNCTION) コンテンツとの親和性の考慮
3.統合(INTEGRATION) サイト内リンク/サイト外リンク
4.バイイングとターゲティング
(BUYING & TARGETING)
固定枠/ネットワーク
ノンターゲティング/ターゲティング
5.計測指標(MEASUREMENT) ブランディング/パフォーマンス
6.明⽰性(DISCROSURE) 広告であることを明⽰
広告主側の視点で、ネイティブアドを選択・評価するにあたっての検討ポイント
21. ネイティブアドの明⽰性について
D.A.Consortium inc. All Rights Reserved. 20
ネイティブアドはそのタイプに関わらず、
広告であることが分かりやすく明⽰され、ユーザーに認識できることが重要。
広告の明⽰性の原則:
• 広告の明⽰性の原則は、広告であることがきちんと伝わるようにすること。仮に、その広
告が従来の広告プロモーションのメッセージを含まないものであっても、それが広告である
ことを明らかにすること。
• また、広告が表⽰されているデバイスおよびページにおけるコンテンツの中で、それが広
告であることを消費者が気づくように⼗分な⼤きさと視認性があること。
要約:広告の明⽰性の原則は、⽂脈に関わらず、消費者が広告と媒
体社が編集したコンテンツを区別できるようにすること。
22. ネイティブアド・プレイブック まとめ
D.A.Consortium inc. All Rights Reserved. 21
• 今後もディスプレイ広告は、掲載箇所に縛られることなく進化。
• ネイティブアドはブランディング広告の⼀つの最終形態となるもの。
• 広告主がデジタルマーケティングをうまく活⽤し、ブランディングからダイ
レクトマーケティングまで彼らのコミュニケーションニーズの全ての領域を
満たすことが可能。